低身長について

低身長とは

一般的に、同年齢・同性のお子さんと比較して身長が著しく低い場合を「低身長」といいます。
低身長の原因はさまざまで、成長の個人差やご家族の体質によるものから、治療が必要な病気によるものまで幅広く存在します。低身長の背景には成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどの内分泌疾患、染色体異常、遺伝性疾患、慢性疾患などが隠れている場合もあるため、適切な評価が重要です。

特発性低身長

低身長の中で最も多いのが、明らかな病気が見つからない「特発性低身長」です。
特発性低身長には、ご家族に小柄な方が多い「家族性低身長」や、思春期の開始が遅く成長の時期が遅れる「体質性成長遅延」などが含まれます。
多くの場合は健康上の問題はありませんが、病気による低身長との区別が重要です。

成長ホルモン分泌不全性低身長症

脳の下垂体から分泌される成長ホルモンが不足することにより、身長の伸びが悪くなる病気です。
軽症から重症までさまざまな程度があり、治療を行わない場合には著しい低身長となることがあります。
原因が特定できない場合(特発性)のほか、脳腫瘍や脳の形成異常などによるもの、まれに遺伝子異常によるものがあります。
診断には成長曲線の評価、血液検査、成長ホルモン分泌刺激試験、MRI検査などを行います。

ターナー症候群

ターナー症候群は、女性にみられる染色体異常による疾患で、低身長を主な特徴の一つとしています。
低身長のほかに、翼状頸(首の両側の皮膚が広がった状態)、外反肘、思春期の遅れなどがみられることがあります。
また、難聴、甲状腺機能低下症、糖尿病、高血圧などを合併しやすいことが知られているため、定期的な経過観察が重要です。
知的発達は通常保たれており、多くの方が学校生活や社会生活を送っています。

軟骨無形成症・軟骨低形成症

軟骨無形成症および軟骨低形成症は、骨や軟骨の成長に関わる遺伝子の変化によって起こる疾患です。
長管骨(手足の長い骨)の成長が障害されるため、四肢が相対的に短くなり、低身長を呈します。軟骨無形成症では、額が突出して見えることや、四肢短縮、O脚、特徴的な手の形(三叉手)などがみられることがあります。
診断は身体所見、レントゲン検査、遺伝学的検査などを参考に行います。

その他の原因

低身長の原因としては、このほかにも以下のような疾患があります。
・甲状腺機能低下症
・クッシング症候群
・思春期早発症
・SGA(Small for Gestational Age)性低身長症
※SGA(Small for Gestational Age)とは、出生時の身長や体重が在胎週数に比べて小さい状態を指します
・プラダー・ウィリー症候群
・ラロン症候群(成長ホルモン不応症)
・慢性腎疾患
・先天性心疾患
・消化器疾患(炎症性腸疾患など)
・その他の染色体異常や遺伝性疾患
このように、低身長の原因は非常に多岐にわたります。
一方で、低身長を主訴に受診されるお子さんの多くは、成長ホルモン分泌不全症などの明らかな病気が見つからない特発性低身長や家族性低身長、体質性成長遅延に分類されます。
また、診察の際には栄養状態も重要な評価項目です。偏食や少食などにより十分な栄養が摂取できていないことが、成長に影響している場合もあります。

このような場合はご相談ください
・同級生と比べて明らかに身長が低い
・毎年の身長の伸びが少ない
・成長曲線が徐々に下向きになっている
・学校健診などで低身長を指摘された
・思春期がなかなか始まらない
・低身長に加えて体重増加不良や慢性的な体調不良がある
低身長の原因によっては早期診断・早期治療が重要な場合があります。

当院での検査・診断

当院では、成長曲線の評価に加え、必要に応じて血液検査、ホルモン検査、画像検査などを行い、低身長の原因を総合的に評価しています。
成長ホルモン分泌不全症や甲状腺疾患などの内分泌疾患が疑われる場合には、専門的な検査を行い適切な診断・治療につなげます。
お子さんの身長について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

ページのトップへ